ココナッツピートディスク育苗試験

株式会社白崎コーポレーション
技術開発部
ココナッツピートディスクを用いた育苗の可否について

Ⅰ:目的
 ココナッツピートディスクを用いてスギ苗の育苗は可能ですが、他の樹木育苗に使用可能かは明らかではありません。そのため今回の試験ではマツ・広葉樹の生育、また、スギの挿し芽工法での生育を観察しココナッツピートディスクでの生育が可能か判断することを目的としました。

Ⅱ:試験概要

試験日:2017年5月~2018年3月
試験場所:株式会社白崎コーポレーション 本社屋上
試験植物:マツ・広葉樹(コナラ/スダジイ)・スギ挿し芽
使用材料:ココナッツピートディスクφ4.4×160

Ⅲ:結果

【スギ挿し芽】

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根は最長22㎝まで伸び、地上部は10㎝でした。

地上部は移植初期とほとんど変化はありませんが、根はしっかりと張っているため、
今後の生長は見込めるのではないかと思われます。

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生存率については、10個体中8個体が生存しております。
枯死した2個体は移植時から葉が茶色くなっていたため、移植時に弱ってしまったことが考えられます。10個体は、同一コンテナで育苗しているため、病気やココナッツピート成分によるものとは考えにくく、個体差によるものと考えられます。

これらの事より、ココナッツピートディスクはスギの挿し芽育苗にも有効であるといえます。

 

 

 

【広葉樹】

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配置図

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発芽は、コナラで20個体中16個体、スダジイで20個体中15個体が発芽しました。
発芽については、拾ってきた種子を選別したのみで、発芽に必要な条件がそろっていなかった可能性があります。どちらの種子も70%以上の発芽率だったため、ココナッツピートが発芽に与える影響はないと考えられます。

9月観察時にはおそらくカラスに苗が食べられてしまい、その後の観察は行うことができませんでした。
参考までに、発芽後4か月時点での地上部は、コナラは枯死していた個体ですが、最大23㎝まで生長し、スダジイは食べられなかった個体は7㎝まで生長していました。

これらの事より、コナラ、スダジイを含む広葉樹の育苗にもココナッツピートディスクは使用できると考えられます。

 

 

 

【マツ】

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発芽から10か月で大きいもので地上部は13㎝に生育しました。
個体差はあるものの、10個体すべての苗が生育しており、ココナッツピートディスクを使用しても、生育に問題はないと考えられます。

これらの事より、今回試験を行った4種類の樹木については、ココナッツピートディスクを用いての育苗が可能であると判断いたします。

 

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